Flutter Live '18とFlutter 1.0 リリース

2018/12/06

Flutter Live ‘18という開発者向けイベントで Flutter 1.0 のリリースがアナウンスされました。

Google Developers Blog: Flutter 1.0: Google’s Portable UI Toolkit の記事を中心に、発表されたことを簡単にまとめてみます。

Flutter 1.0

大きな機能追加があったというよりは、注力してきたバグフィックスと安定性の向上に一定の目途が立ったので正式版になった、という感じ。バージョンが1.0になったということで実プロダクト投入の心理的ハードルが下がる気がします。

主な新機能としては

  • iOSでのpixel-perfect対応
  • Dart 2.1に対応
  • Add to App
    • 既存のAndroid/iOSアプリにFlutterを組み込むための仕組み
    • プレビュー公開(恐らく「まだ正式版じゃない」の意)
  • Platform Views
    • OSネイティブのViewをFlutter内に表示
    • プレビュー公開(恐らく「まだ正式版じゃない」の意)

が紹介されています。Add to AppとPlatform Viewsは既存プロジェクトにFlutterを部分投入できるかも、という意味で期待の機能。

Flutter Live ‘18

Flutter 1.0 のリリースが目玉ですが、それ以外にもいくつかの発表がありました。

サードパーティーサービス

3つのサードパーティーサービスが紹介されました。

あえてサードパーティーのサービスをアナウンスしたのは「エコシステムが育ちつつありますよ」というアピールかなと思います。エコシステムが未成熟なのはFlutterの弱みのひとつなので。

個人的にはFlareが注目株。LottieというAfter Effectsのアニメーションをモバイルアプリに組み込めるライブラリがあります。これの代替手段になりそうかな、と。凝ったアニメーションをコードでゴリゴリ書くのはムリがあるので、こういうライブラリがあると助かりますね。

Hummingbird

FlutterランタイムをWebベースで実装するプロジェクト。Android/iOSと合わせてWebもFlutterで作れるようになるようです。

(WebAssemblyではなく) JavaScriptに変換される模様。まだ開発中のステータスで一般公開されていないので詳細は不明です...

また、前述の記事ではHummingbirdのほかにもflutter-desktop-embeddingFlutter on Raspberry Piが紹介されていました。

Hummingbirdと合わせて、FlutterがAndroid/iOS以外の領域にも適用できるポテンシャルがある、ということのアピールでしょうか。flutter-desktop-embeddingは実用になったらElectronの対抗馬として存在感が出てきそうな気がします。

所感

AndroidとiOSのクロスプラットフォーム開発ツールという意味では、1.0のリリースをもって技術的にはある程度のところまで到達したとみなせるんじゃないでしょうか。もちろん改善点はたくさんあるのでしょうけど、基盤としては整ったのかな、と。

実際の現場での普及度合いという意味だと競合のReact NativeやXamarinとの差がまだあるので、そこを埋めるべく適用プラットフォームやエコシステムの拡充といった周辺領域にも力を入れていくよ、というGoogle(のFlutterチーム)の意思表示がFlutter Live ‘18だったのかな、と感じました。

なんとかして実務でFlutter使いたいな...

参考URL




関連(するかもしれない)記事


おススメ