空気の作り方

2019/10/19

DeNAベイスターズ初代社長である池田純さんの著書。出版されたのは3年前。池田さんはその年の秋に退任しているので、本書はベイスターズ時代の総括的な色合いがあります。

マーケティングを軸にして経営論を絡めた、という感じの本ですが、マーケティング本にありがちな独自の理論や奇策ではなく、物事の本質を見抜いて王道をやり切れば結果が出る、ということが繰り返し語られている印象。球団経営を題材にしたマーケティングの教科書という感じでしょうか。

オリジナルビールをはじめとした様々な施策は単なる思い付きのアイデアではなく確固とした裏付けがあってのものだった、というのが分かって興味深かったです。

池田さん在任中の最大の一手ともいえる横浜スタジアムとの経営一体化も、アイデア自体じゃなくて様々なしがらみで実現困難と思われていたのを成し遂げたのが凄かったんだな、ということを改めて感じました。

もうひとつ本書のいいところは、企業としてのベイスターズが本書で語られていることの延長線から大きくズレることなく成長を続けているように見えること。

企業本って賞味期限が短くて、出版される頃にはすでに陰りが…みたいなこともあるんですが、3年経っても順調ということは本書で語られている内容が偶然じゃなかった、と言えるんじゃないかと。

ベイスターズファンのみならず、プロ野球ファンなら興味深く読めると思います。




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