ティム・クック-アップルをさらなる高みへと押し上げた天才

2020/05/27

評価の難しい本だなー。

AppleのCEOであり、スティーブ・ジョブズ以後のAppleを更なる成長に導いたティム・クックの伝記。ティム・クックの経営方針とその背景にある生い立ちや考え方、そしてAppleで得られた成果(ときには失敗)を丹念に追っている本です。

スティーブ・ジョブズやジョナサン・アイブといったAppleを彩る才人と比べるとティム・クックの業績はあまり喧伝されていないので、その概要を知ることができる貴重な本です。ジョブズが後継者にクックを選んだのはなぜか、も本書を読むと納得できます。

なので、情報源としてはいい本なんですが、なんかめちゃくちゃ読みにくいんですよね。すっと頭に入ってこない。

最初は訳書にありがちな翻訳の堅さが原因かも、と思ってたんですが違いますね。全体的にストーリ性が弱く、伝記というより事例紹介っぽくなっているのが原因じゃないかと。

クックがプライベートを守るタイプだからなのか具体的なエピソードが余り語られていないこと、時系列よりもトピックス軸でまとめられていて話が行ったり来たりすること(後半の章は顕著)が読み味を悪くしている気がします。

丹念で詳細なのが本書のウリなのだとは思いますが、思い切って1/3くらいのボリュームにコンパクトにまとめたら読みやすくなりそう。

一字一句じっくり読み進めるよりも、バーッと目を通して大掴みに把握し、興味があるところを深掘りする、みたいな読み方がいいかもしれません。




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