HeroBoxにUSB型のWi-Fiアダプタを増設してみた

2023/03/13

きっかけ

半年くらい前にCHUWIのHeroBoxという小型PCを買いました。2万円強で買えるお手頃価格のファンレスPCです。

ファンレスなのでほぼ無音、CPUはさておきメモリ8GBに256GB SSDとスペックも悪くない。2.5インチのディスクが増設できるのも嬉しい。ファンレスPCとしてはかなりいいバランスで、実際に人気もあるようです。

ちなみに、同一名称ですがどうもリニューアルされたようで、CPUがCeleron J4125 ⇒ Celeron N5100になった代わりにファンが付いた模様。個人的にはファンレスじゃないと魅力半減だなあ……

ファンレス版が欲しい方は旧型を探してみてください。

閑話休題。

HeroBoxプリインのOSはWindows(購入時はWindows 10 Home、いま買うとWindows11)ですが、自分は簡易NAS兼DLNAサーバーとして運用したかったのでRocky Linuxをインストールして使っています。以前使っていたTL-WR902ACの簡易NASをリプレイスする形ですね。

OSセットアップはスムーズで、その後も特に躓くところなくLinuxが動いたのはとてもよかったんですけど、どうにもWi-Fiの速度が出ません。スペック上は802.11nや802.11acに対応していて速度出るはずなのになぜか遅い。

簡易NAS兼DLNAサーバーという用途を考えると厳しいなあ、と思いながら運用すること数か月。思い立ってダメ元で改善を試みたらうまくいきました!

USB型Wi-Fiアダプタ選定

ネットを見ると「LinuxでのUSB型Wi-Fiアダプタは鬼門で苦難の道」的な記事が多いんですが、どうやら最近のカーネルでは一部のUSB型Wi-Fiアダプタをプラグアンドプレイで認識するようなんです。

で、いろいろ探していたら GitHub - morrownr/USB-WiFi: USB WiFi Adapter Information for Linux を発見。有志が検証結果をまとめたものが掲載されています。ありがたい限り。

自分が調べたタイミングでは国内で入手容易なものが見当たらなかったので、値段、性能、入手までの日数などを天秤にかけてALFA AWUS036ACM を購入しました。Amazon.comで速達送料込み9,097円。割高だけど仕方ない。

Amazon.co.jpだと似た型番のものは見つかったんですが同型は見当たらず。ALFAは紛らわしい型番の製品がたくさんあるんですよね……

増設結果

正直ギャンブルでしたが、普通にプラグアンドプレイで認識しました。一安心。

そして肝心の通信速度も大幅向上。iPref3での測定結果は以下の通り。

F:\>iperf3.exe -c 192.168.1.55
Connecting to host 192.168.1.55, port 5201
[  4] local 192.168.1.15 port 57470 connected to 192.168.1.55 port 5201
[ ID] Interval           Transfer     Bandwidth
[  4]   0.00-1.01   sec  21.2 MBytes   177 Mbits/sec
[  4]   1.01-2.00   sec  21.9 MBytes   185 Mbits/sec
[  4]   2.00-3.01   sec  22.5 MBytes   188 Mbits/sec
[  4]   3.01-4.00   sec  21.0 MBytes   177 Mbits/sec
[  4]   4.00-5.00   sec  23.9 MBytes   200 Mbits/sec
[  4]   5.00-6.01   sec  24.0 MBytes   201 Mbits/sec
[  4]   6.01-7.00   sec  22.1 MBytes   187 Mbits/sec
[  4]   7.00-8.01   sec  23.2 MBytes   194 Mbits/sec
[  4]   8.01-9.00   sec  22.2 MBytes   187 Mbits/sec
[  4]   9.00-10.01  sec  23.4 MBytes   195 Mbits/sec

---

[ ID] Interval           Transfer     Bandwidth
[  4]   0.00-10.01  sec   226 MBytes   189 Mbits/sec                  sender
[  4]   0.00-10.01  sec   226 MBytes   189 Mbits/sec                  receiver

iperf Done.

F:\>

内蔵のWi-Fiアダプタだとこんな感じ。

[ ID] Interval           Transfer     Bandwidth
[  4]   0.00-10.01  sec  24.6 MBytes  20.6 Mbits/sec                  sender
[  4]   0.00-10.01  sec  24.6 MBytes  20.6 Mbits/sec                  receiver

ざっくり10倍近いですね。実際にファイル転送等してもそれに近い速度差が出ます。

これならストレスなく使えます。やったね!

もしかしたらLinuxのWi-Fiドライバ周りを弄るとか設定見直すとかすると内蔵Wi-Fiのポテンシャルを発揮できるのかもしれませんが、どこがダメか分からなかったので増設に踏み切って正解でした。

余談

この後、本格運用のために増設用のSSDも買ったので本体より周辺機器のほうが高いという微妙な感じにはなっていますが、簡易NAS兼DLNAサーバーとして快適に使えています。




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